ω-3脂肪酸不足のADHD児にEPAサプリが効果的な可能性【推奨段階ではないと考えます】

ω-3脂肪酸濃度が低いADHD児がEPAサプリメントを摂取すると、注意力と覚醒度に改善が見られたという報告を紹介します。

 

あくまで一つの報告であり、学会などで広く推奨されているものではありません。

しかし、食生活だけで症状の改善が見られる可能性もあるので、情報として紹介します。

ω-3脂肪酸(EPAなど)不足とADHDの関連の可能性

ADHD患児とω-3脂肪酸濃度の関連に関する報告は以前からありまして、システマティックレビューなども報告されています。
参考:Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids in Youths with Attention Deficit Hyperactivity Disorder: a Systematic Review and Meta-Analysis of Clinical Trials and Biological Studies.(PubMed)

 

とはいえ、ADHD児全例にω-3脂肪酸が効果的かというと、そうとも言えない結果もコクランから出ています。
参考:Polyunsaturated fatty acids (PUFA) for attention deficit hyperactivity disorder (ADHD) in children and adolescents.(PubMed)

 

今回紹介する報告では、台湾の6-18歳のADHD児103例(最終結果は92例)を、EPA(ω-3脂肪酸の一種)サプリを1.2g/日を12週間接種させたグループと、EPAではなくプラセボを摂取させたグループに分けて調べています。

結果として、ω-3脂肪酸が不足している患児がω-3脂肪酸の一種であるEPAのサプリを補充することで注意力及び覚醒度に改善が見られています。

対して、ω-3脂肪酸濃度が正常または高値の場合には、EPAサプリによる改善が見られていません。

参考:High-dose eicosapentaenoic acid (EPA) improves attention and vigilance in children and adolescents with attention deficit hyperactivity disorder (ADHD) and low endogenous EPA levels.(PubMed)

 

しかし、「みんなEPAのサプリメント飲ませれば良い」とも言えません。

誤解があるまま終わらないように、もう少しお付き合いください。

ω-3脂肪酸の過剰にも注意が必要

先程の報告は、ω-3脂肪酸の不足が疑われるADHD児へのEPAサプリの効果です。

ω-3脂肪酸が不足していない場合には効果が見られていません。

 

そして、紹介した報告で使われていたω-3脂肪酸のEPAは、過剰摂取により血が止まりにくくなる可能性なども指摘されています。

通常摂取している食品でも、過剰摂取するとデメリットがあることは珍しくありません。

つまり、ω-3脂肪酸濃度が低くない場合、得られるベネフィットは無く、リスクだけが増大する可能性があります。

 

現在の日本では、血液検査でω-3濃度の検査をするのは現実的ではありません。

そのため、不足しているかどうかを判断できません。

日本の魚の摂取量は少なくないので、足りなくなることは少ないとも考えられます。

EPAサプリを摂りたいなら

ω-3脂肪酸が低いかどうかの判断ができない以上、EPA摂取が適切かどうかはわからないと言えます。

「週に○回魚を食べているので大丈夫」という判断もできません。

 

ADHDも含め、発達障害がある子の場合「偏食」が問題になることがあります。

魚類を全然食べてくれない場合には、まずは何らかの工夫により魚を食べる習慣をつけることは個人的におすすめします。

 

それが難しいなら、「EPAサプリを試してみたい」という選択肢も出てくるかもしれません。

その場合には、いくつか注意をお願いします。

  • 治療中の方は医師に相談してから
  • 過剰にならないような注意
  • アレルギーへの注意

 

自己判断でEPAサプリを始めると、薬とEPAの効果の判断がつきにくくなる可能性もあります。

治療中の方は医師に相談の上飲み始めることを推奨します。

相談前に飲み始めてしまった場合は、次回受診時には確実に伝えるようにしましょう。

 

EPAなどが過剰になった場合のリスクは先程説明した通りです。

定期的に魚を食べれていれば、あえてサプリなどで摂取しなくても良いと考えています。

また、EPAサプリの原材料は魚油になると思いますが、魚類や甲殻類にアレルギーがある場合には、アレルギーが出る可能性も考えておきましょう。

 

なお、EPA以外にω-3脂肪酸を含むものとして、DHAやALAもあります。

ALAは亜麻仁油にも含まれているようです。

肝油にもω-3脂肪酸は含まれていますが、ビタミンAやビタミンDなど過剰に注意すべき成分が含まれている点には注意が必要です。

ADHD児とEPAサプリについて【まとめ】

ADHDにEPAサプリが効果的というケースもありそうですが、以下の点には再度ご注意下さい。

  • ADHD全例での調査ではω-3脂肪酸摂取によるメリットはないという報告もある
  • ω-3脂肪酸が不足していないのに、EPAサプリなどを摂取することはデメリットにもつながる

 

そして、ω-3脂肪酸が足りているかどうかの判断も難しい以上、私としても積極的にEPAサプリをすすめるつもりはありません。

現時点では否定も肯定もできないということです。

ADHDの疑いなどですでに病院に受診している場合は、まずは主治医に相談することをおすすめします。

 

最後になりますが、国内の子ども向けEPAサプリを調べてみましたが、個人的にはコレというものは見つかりませんでした。

そもそも日本で有名なメーカーのEPA単独のサプリメントで子ども量の設定があるものが見つかりません。

 

以下の商品が目に付きましたが、EPA単独ではない点にはご注意ください。

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