アセトアミノフェンは空腹時を避けたほうが良いのか【食事の影響|胃腸障害】

アセトアミノフェンは空腹時を避けたほうが良いのか【食事の影響|胃腸障害】

解熱・鎮痛薬であるアセトアミノフェン(錠剤ならカロナール、坐薬ならアンヒバなど)は、添付文書に「空腹時の投与は避けさせることが望ましい。」と記載があります。

しかし、アセトアミノフェンは本当に空腹時を避けたほうが良いのでしょうか?

 

個人的には、あまり気にしなくても良いと考えています。

 

なお、保険薬剤師としては添付文書遵守が基本ですので、投薬時の基本のスタンスは「空腹時は避けることが望ましい」です。

食前・食間・食後などの用法の指示には、基本的に重要な意味があります。

 

処方された通り飲むことが原則ですので、あらかじめご留意ください。

アセトアミノフェンの効果は食事による影響を受けるのか

薬と食事のタイミングで最初に気になるのは、「食事により薬の吸収などに影響が出る」ことです。

カロナール錠のインタビューフォームには以下の記載があります。

食事・併用薬の影響
糖分の多い餡、クラッカー、ゼリーや炭水化物を多く含む食事とともに服用すると、炭水化物と複合体を形成してアセトアミノフェンの初期吸収速度が減少する。
吸収量は変わらないが、急速な効果を望むときはこれらとともに服用しない方がよい。

糖質(炭水化物含む)が多い食事と同時に服用することで、吸収速度は落ちるようです。

しかし、吸収量も変わらないということですので、食事の影響はあまり考えなくても良さそうです。

 

より新しい情報である、以下の報告でもパラセタモール(アセトアミノフェン)の効果は、食事の影響はそれほど受けないとの結論です。
参考:Effects of food on pharmacokinetics of immediate release oral formulations of aspirin, dipyrone, paracetamol and NSAIDs – a systematic review.

 

この報告では一部NSAIDsは食事と一緒に摂取することで効果が落ちることを指摘していますが、空腹時服用による胃腸障害のリスクも考えておきたいところです。

アセトアミノフェンは胃腸障害の原因になるのか?

空腹時の服用を避けるように言われる要因の一つとして、「胃腸障害」が懸念される場合もあります。

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、プロスタグランジン類の合成を抑制し、胃腸障害の原因になることがあります。

胃腸障害を防ぐために、NSAIDsは空腹時に飲むことが推奨されています。

 

しかし、アセトアミノフェンはプロスタグランジン類の合成を抑制する効果はNSAIDsよりも弱いとされています。

胃腸障害の原因になることがあるのでしょうか?

 

以下の報告は、ケトプロフェン、アセトアミノフェン、プラセボを7日間服用した前後に内視鏡検査で胃粘膜の状態を確認したものです。

データ数は少ないですが、アセトアミノフェンはプラセボと比較して胃粘膜損傷を増やすことはなさそうです。
※ケトプロフェンは明らかに胃粘膜が損傷されています。
参考:An endoscopic comparison of gastroduodenal injury with over-the-counter doses of ketoprofen and acetaminophen.

 

別の報告では、イブプロフェンによる胃粘膜損傷に対して、アセトアミノフェンは胃の保護効果が示唆されています。
参考:Protective effects of acetaminophen on ibuprofen-induced gastric mucosal damage in rats with associated suppression of matrix metalloproteinase.

 

アセトアミノフェンによる胃腸障害については、あまり気にしなくても良いのではないかと考えています。

アセトアミノフェンは空腹時を避けたほうが良いのか

  • 空腹時に服用しても効果への影響は最小限
  • 胃腸障害を起こす懸念も少ない

以上の理由から、個人的にはアセトアミノフェンを空腹時を避けて服用する必要性は高くないと考えています。

 

なお、アセトアミノフェンの市販薬である「タイレノールA」も、空腹時の服用も認められています。

【第2類医薬品】タイレノールA 20錠
タイレノール

 

もちろん、食後に飲むことを否定するわけではありません。

しかし、熱や痛みで辛い時に「空腹時を避けること」が重荷になるようではいけないと考えます。